【変な人日記10】変な人が足りない時は、サプリメント的町田康氏




 

 

最近いこは、家と職場の往復のみで変な人ゲージがガス欠寸前。残念なことに職場にも多少の変な人はいるが、べったりとマークしてまでの観察欲を掻き立てる人はいないのだ。

だから、今は町田康氏のエッセイで栄養を補っている。実生活で摂れないのならサプリメントで補うまでだ。

先日図書館から借りてきた、7冊の本。その内の町田康率は42%。つまり3冊は町田康氏のもの。

先日読みきったバイ貝 (双葉文庫)もよかった。

しかし、町田康氏はやっぱり変な人のプロだな。純度の高いサプリメントを摂っていたら実生活での栄養補給では満足できなくなりそうで恐い。

今読んでいるのはおっさんは世界の奴隷か – テースト・オブ・苦虫6 (中公文庫)

短いエッセイにおそろしい程のセンスが詰まっている。

もう、どれを取っても、いい。

 

いこには書評みたいな恐れ多いことはできないし、そんな語彙もない。

でも。みんなに知って欲しい。読んで欲しい。伝えずにはいられないのよ。

何とも言えない味がある。

めちゃくちゃ適当な事を言いながら核心を突いてくる、とでも言おうか。

すんごく頭の切れる人。それを適当さで包んで、おちゃらけてて退廃的。

中毒性がハンパない。

 

44編からなるエッセイ。今もまだ読んでる途中なんだけど、それぞれのエッセイの締めが職人技なんだ。

もう、人生の教科書としてテースト・オブ・苦虫シリーズは家に置いときたい。

心が乱れた時に。心が沈んでいる時に。笑いたい時に。

 

いこ、恥ずかしながら町田康氏の読み物は20代後半を過ぎてから初めて知ったんだけども、もっと早く知りたかったって気持ちと、これはあんまり若いときに知ってたら道を踏み外してしまったかもしれない…という複雑な気持ちでいる。

まだまだ読み込み足りない。町田康氏、好きです。

町田康氏の簡単なプロフィール

本名は町田康(まちだ やすし)、1962年大阪生まれ。

作家、ミュージシャン、詩人、俳優と様々な肩書きを持つ。

2000年きれぎれ (文春文庫)で芥川賞受賞。