【変な人日記5】天岩戸神社のミステリアス氏子さん




2ヶ月程前、東京移住の前に九州ぶらり旅をしたときのこと。

宮崎のお友達、変人好き仲間の鈴木ちえこさん(仮名・以下スズキチ)を訪ねて、二人で宮崎のパワースポット巡りへ。

スズキチはスピリチュアル女子で、いこの知らないことをたくさん教えてくれます。

もともとそっち系にはまったく興味がなかったいこですが、スズキチと二人で旅をすると不思議なことがよく起こるので少しずつスピリチュアルに興味を持つに至った。

スズキチといると不思議体験もよくするけど、変な人好きという二人のエネルギーが強力な磁場を作り出すのか、変な人に出会う確立も一人でいる時の比ではない。

スピリチュアル女子、スズキチとの不思議体験についてはこちら。

そんないことスズキチ、今回は高千穂峡や天岩戸神社など、日本最古の歴史書「古事記」に書かれている重要な場所に行ってみました。

アマテラスさんの隠れたところ

スズキチはスピリチュアル女子で、しかも延岡市に住んでいるのでもう何度も天岩戸神社には来たことがあるそう。氏子さんに頼むと境内や神社の歴史を案内をしてもらえるらしい。

聞かせてもらおうじゃないか、アマテラスストーリー。

その天岩戸神社は渓谷の様なところにあって神社の裏手は谷になっている。そして、谷を挟んであちら側の崖にはポッコリと洞窟のような穴が開いているところが。

神話によると、そこに太陽神アマテラスオオミカミさんが弟の悪さに耐えかねて隠れたらしい。

変な人オーラびっしびしの氏子さん、もしかして神様?

案内をしてくれた氏子さんが現れた瞬間にもう、アマテラスのアナザーストーリーは始まっていた。

いことスズキチ二人しかいないのに、大きなスピーカーを肩にかけ、マイクは柳沢慎吾のトランシーバーを彷彿とさせる必要以上に口元へ接触するタイプの持ち方。

顔はむっつりとしており、事務的な態度を崩さない。

そして、いことスズキチ二人が居ても居なくてもきっと変わらない、録音されたような完璧なテンプレートで決まったセンテンスを、目を半ばつむり諳んじている様子は、空の上の見えない存在と交信しているようでもあった。

ずっとマイクを使いながら話していた氏子さん、最後にアマテラスストーリーから派生した日本国と国民としての誇りについて話しながら少し興奮してきた様子。

先ほどまでの事務的、かつ無表情の氏子さんとは打って変わって目の奥がらんらんとしている。

案内も後半に差し掛かる。変な人オーラをびしびしと放つ氏子さんがあまりにも気になって話が入ってこない。

ただ、最後にどんな流れか、日本人なら日本の米を食えという主旨の事をいこらに伝えた時にはもうマイクを持つ手は口元にはなかった。そして最後に「最近は外国人のお客が多くてこのオチが言いにくいんだよなぁ…」と呟き、あれだけ無表情を貫き通した彼はニヤリと笑ったのだった。

なんでその一言がオチだったのかは思い出せない。ただただ、ミステリアスな氏子さんの所作のみが天岩戸神社での記憶に鮮明に刻まれている。

【2017.7.7追記】なんと!あの氏子さんがテレビに!!

衝撃のアマテラスストーリーから一年。いこは宮崎に住むスズキチを再び訪ねた。

いことスズキチが再会すると、まず恒例の確認作業のように今まで二人で遭遇した変な人達を振り返る。

当然上位にランクインしている天岩戸神社の氏子さんの話題になる。

するとスズキチが、テレビ東京の「出川哲郎の充電させてもらえませんか?」という番組に天岩戸神社のミステリアス氏子さんが出ていたと言うのだ!

最近変な人に飢えているいこは早速Youtubeで動画を検索。

すると2017.5.27に放送された高千穂峡から黒川温泉を目指す会で天岩戸神社を訪れていた。

出川達の対応をしていた氏子さんには確かに見覚えがある…。かと言ってあの時程の変人オーラを放ってもいないし何より肩掛けスピーカー付きのマイクも持ってはいない。でも、時々浮かべる不敵な笑みは間違いなく彼だ。

猛烈に会いたい。いこはあの氏子さんにもう一度、猛烈に会いたくなった。

思い立ったが吉日。その日は奇しくも、2017年7月7日。七夕の日。なんと因果な数字じゃないか。

織姫いこはmyアナザー彦星に会いに行くことを決意し、スズキチに告げた。

念願の天岩戸神社に着くと、雨がしとしとと降り始めた。スピガールスズキチによると、神社に行くときに雨が降ると歓迎されているという。

まずは軽い雨に打たれながら、手前の土産物屋を散策。出川が充電させてもらっていたご飯屋さんを通り過ぎ商店街を当てもなく歩く。

通りには七夕の飾りがそれぞれの戸口に飾ってあり、楽しみながら歩く。

するとおばちゃんが「せっかく来たのに雨だねぇ、よかったら短冊書いて雨宿りしていきな」と温かい言葉をかけてくれる。

地域のコミュニティスペースのような役割をした建物の中にはカラフルな短冊とペン。

いことスズキチは、ここには書けないような俗にまみれたお願い事をそれぞれ5枚ずつ書き、いやらしい顔で笹にぶら下げ、いざ神社に向かったのだった。

スズキチが先に言っていた「神社に訪れる時に雨が降るのは歓迎されている」、という話だが、それが本当であれば二人はとてつもない大歓迎を受けている。

先ほどまでは結構なお湿りで…と余裕をかませるくらいの雨だったのが、天岩戸神社に一足近づく度になるほどどしゃどしゃといこ達を神様総出で出迎えてくれている模様。

さて、いるのか。いこのアナザー彦星。

境内の案内受付窓口を覗いてみるも、愛しい彼は見当たらない。

受付で「あの、出川の番組に出ていた方に案内をお願いできますか?」とまさかの指名。

しかし、残念ながら人気者の彼₍妄想₎はこれから会合との事で、会えずじまいだった…。

ああ、神様。わさお君という素敵な旦那がありながら道ならぬ恋をしてしまったいこをお許しください。

一年に一度しか会えない彦星様に会えないなんて。

でも、元気に暮らしているようでよかったです。

また来年、会いに来ます。

いこの涙なのか神様の大歓迎なのかもはやわからないどしゃ降りの中、天安河原に向かうも先日九州を襲った大雨のせいで川が増水し、寸での所で道が途切れていて、参拝は断念を余儀なくされたのだった。

来年、また彦星に会いに来ることを胸に引き返したいこ達だった。