結婚した今でこそ、普通に料理してるけど、昔は料理を振る舞うことに過度なコンプレックスがあった。
料理は自分では普通にするし、味も悪くないものを作れるから、料理が下手だから振る舞うのが苦手、というわけではない。
けど、料理って自分のバックグラウンド全部を人にさらけだしている気がして昔はほんとに嫌いだった。
なんだったら料理を振る舞うのと、人前で裸になるのどっちが嫌かって聞かれたら料理を振る舞う方!と即答するくらいのレベル。(実際はもちろん裸になる法が恥ずかしいに決まってるけど)
激貧乏な幼少期から学生時代、家庭のことを人に話すのが恥ずかしくて、すっごく仲のいい幼馴染以外は内緒にしていた。
おそらく、いこの幼い頃の家庭に関するコンプレックスと料理というものが根っこで繋がっているんだろう。
このコンプレックスがわかる!!って言う人は少ないかもしれない。
自分でもやっかいだなと思う。
今でもおしゃれなものは何一つ作れない。
いこの友人は料理上手な人が多い。しかもなんつーか、おしゃれな料理を作る。
料理できる人にとっては普通なのかもしれないけど、やたら香草をつかっていたり、紅茶風味のローストポークみたいないこが生きて来て初めて遭遇するようなハイソサエティ感漂う未知の料理を作る出来る女子が多い。
しかもやたらと盛り付けのセンスがよい。いこはね、ワンプレートをおしゃれに盛る全国の素敵女子及び男子をそこはかとなく尊敬する。
いこはというと、田舎の貧乏くさい気質そのままに煮物とかの和食か、にんにくとしょうがと中華だし入れときゃなんとでも味が決まる中華くらいのもん。
ありがたいことに旦那わさおくんは何でも「うまいうまい」と食べてくれる。
わさおくんのおかげでいこの『料理を振舞うのが苦手』コンプレックスが徐々に解消されつつあるのは本当に感謝しかない。
料理が出来る男子が苦手。
昔、付き合っていた人の中に名の通った料亭旅館の板前さんがいた。
その人とは当時結婚前提に同棲をしていた。同棲生活は可もなく不可もなく楽しいものだったがひとつ問題があった。
それはもちろん料理だ。
その人は優しい人だった。いこが料理を人に振る舞うのが病的に苦手な事を知っていて、いつも「仕事で料理をしている人は、案外自分が食べるものに無頓着だったりするし何でもおいしく食べるもんだよ。」と言って料理を強制するような事はなかった。
不幸中の幸いか、二人は仕事が忙しくてなかなか二人でご飯を食べる時間がなかった。
同棲して別れるまでの3年半、料理って料理を作ったのは数回くらいのもんだったと思う。
料理をしている姿を見られるのが嫌。
いこの『料理振る舞うのが苦手』コンプレックスは特徴がある。
基本的に誰にでも振る舞うのは苦手なんだけど、程度的には男性に振る舞う方がより嫌。
そして、ある時気付いたのは完成したものを食べてもらうのはまだマシなんだけど、料理をしている過程を見られるのが特に嫌だということ。
一番最初に原因について触れたけど、バックグラウンド全てさらけだしている感じがするというところに繋がるのかな。
料理方法って家庭それぞれだから、いこの料理の手順はそのままいこの家庭から受け継いだものって考えが無意識にあるんだろうか。
自分でも本当に真の原因はわかっていない。掘り下げて考えてみてもここで止まってしまうんだな。
自分の為に作る料理の方が美味く作れてしまう。
コンプレックスを解消しつつあるいこも、まだ旦那わさおくんに料理を作るときは少しは構えてしまうところがある。
自分ひとりのお昼ご飯の時なんかは、冷蔵庫の中にあるものでぱぱっと適当なものを作ってかつうまい!ということも、旦那わさおくんにはしっかりしたものを作らなきゃという意識が働いて、普通に美味しくとも直感が鋭く働いた適当料理には敵わなかったりするのだ。
料理自体が苦手だっていうのではなくて、人に料理を振る舞う行為が苦手って人はいこ以外にもいるんだろうか。
この悩みを長年いろんな友達に相談してきたけど、共感してくれた人は今まで一人もいない。
もしいるのなら、この複雑でデリケートな悩みを共有したいわー。
このコンプレックスも前に書いた記事ドッキリが見てられない!!共感性羞恥とは?みたいに名前のある心理現象だったりして。
誰か知っている人いたら教えてくださいー。

