結婚して東京に移住する前、岡山のとある港に住んでいたときのこと。
毎月何か目標を立ててそれを遂行するってのをやってた時期があった。
毎月「毎朝4時に起きて朝活」とか「一人の作家さんの本だけを読み込む」とか今までの人生の中でやったことないことを一ヶ月。
一ヶ月続けたら、何かしら自分の実になるかなというのと、単に暇だったんだろな(笑)
んで、ある月の目標を「一ヶ月食費0円生活」に決めたのだ。
そりゃ、何かしらのからくりが無いと無理よ。
テレビでも1万円で黄金生活とかしてるのに、0円てどやってやるん?という疑問は当たり前。
そりゃ、何にもなく0円でなんて出来るわけがない。
それなりの条件があったから、0円生活に踏み切ったのです。
そう。食料を手に入れるつてがあったから。
魚市場で魚、畑で野菜、そしてご近所からのおすそ分けだ。
魚市場で魚をゲット。
いこは当時、岡山でいくつか仕事をかけもちをしてて、週末に港の魚市場で働いていた。
金、土、日の週3日間、朝の7時から昼の13時頃まで。
そこは卸売りだけでなく一般の人向けに小売もやっていて、魚系のお惣菜なんかも販売していた。
いこは魚の仕分けや調理、レジ子、お惣菜のパック詰めまでいろいろな事やるんだけど、そこの上司がいつもつまみ食いしてて、いこにもいっぱい分けてくれるの。
魚の酢漬けとか、カツオのたたきとか。新鮮な魚を調理したものだから、まぁおいしい。
後はそこで働くおじさんやおばさん達が「どーせ朝ごはん食べてないんでしょ」とパンやおにぎりをくれる。時には別の人からそれぞれに朝ごはんの差し入れもらったりして、という具合。
つまみ食いと差し入れで朝ごはん、昼ごはんがまかなえるという…(笑)
そして、極めつけは仕事終わりにいただける「お土産」なるもの。
もう一般の人には売れない魚だったり、ブリや鯛のあらだったり、残ったあら汁だったり。
時には「食べたこと無いじゃお客さんに紹介できないからな」と、高級魚をいただいたり。
そんなこんなで金、土、日の3日間は朝昼をそこで腹いっぱいにし、かつ貴重な食料をゲットするのだ。
町の花壇で畑をしているお隣さんからの野菜。
いこが住んでいた建物の道路を挟んで目の前に、歩道脇によくある町の花壇がある。
そこにいこの隣の部屋の農業女子が野菜を植えている。
町の花壇に無断で野菜を植えていると思いきや、件の魚市場の社長が町の権力者らしく、そこの花壇の使用権を鶴の一声で取り付けたらしい。
いこのお隣の農業女子はその花壇いっぱいに、ピーマン、トマト、なす、水菜、ルッコラ、大根、パセリ、大葉など、所狭しといろんな種類の野菜を植えていた。
彼女は、隣の部屋に恋人と住んでいたが、2人で食べきれる量ではなく、いこにも勝手に採って食べてもいいと言ってくれていたのだ。
お隣さんからの差し入れ
お隣の農業女子は、カフェを間借りしてやっていて時々余ったお惣菜やお菓子を分けてくれる。
いこが住んでいるアパートは住人同士の距離が近く、みんなでよなよな集まって、瀬戸内海を一望できる屋上で語ったり、飲んだり、時には音楽を奏でたりして遊んでいた。
古きよき時代のお隣さんに醤油を借りに行く感覚が、そのアパートには残っていた。
黄金伝説の経過と結果
まず、月初めには黄金伝説を始める前に残っていた食料を大切に食べることにした。
魚市場でもらった鯛のアラと一緒に炊き込みご飯とかにして、なんだったら普段より贅沢してるくらいの感覚。
残っていた何合かの米は最初の一週間でなくなる。
炭水化物をどうにかして取りたいところ、小麦粉でいろいろ工夫して乗り切る。
その中で牛乳と混ぜて抹茶ラテになるポーションみたいのが残っていたので、抹茶味の小麦粉の何かを作ってみることにした。
抹茶のスコーン的なものができた。まずまずのお味。
後は残っていたてんぷら粉もかなり重宝したなー。
魚市場からもらってきた魚と、畑の野菜をかき揚げにして食べるのが一番おいしかった。
あとはぶりのあらの身をこそげて、つみれにしてスープに入れて食べるのもよくやった。
後は米が残っているときは煮魚の後の煮汁でご飯炊いたり。
そして、しっかり一ヶ月食費0円を達成しました!!!
黄金伝説まとめ
けっこう最後はお金を使えないストレスとか、いろいろあったけどやりきってみて思うことは、「足りないところから出てくる知恵は生きていく上で大切だ」ということ。
普段、日本人の私たちはいくら貧乏だからといって生死に関わるような飢餓をほとんどの人が体験したことがないし、しない。そんな中、おなかいっぱいだから残すとか当たり前になってる。
今回黄金伝説食費0円生活をして思うことは、当たり前のことだけど、もったいないことをするのはよくない。
なるべく無駄しないという気持ちと知恵を持っていると、足りないところから、「これは○○の代用にならないかな?」とかクリエイティビティがうまれてくる。
少なくともいこにとっては大きな気付きだったし、いい体験になりました。
食費0円生活はとても楽しかった。知恵がついた。
あるものでどうにかすることは貧しくない。想像力、創造力をつかうからむしろ豊かだった。
実りの多い一か月でした。
いつかまた違う形で個人的黄金伝説やってみたいと思います!!!