【本の事】 筒井康隆 最後の喫煙者 ‐自選ドタバタ傑作集‐




いこの趣味は読書。とは言っても人より少し多く読む程度。

小説から、エッセイ、ビジネス書、ジャンルはいろいろ。でもやっぱり小説が好きかな。

小説の中でも変な人好きないこにとって、変な人を上手に描写する作家さんは一目置いてしまいます。

結婚して東京に移住するにあたり、本は全て処分したんだけど、あまり本を読まない旦那さんに貸した本だけ部屋にぽつんと置いてある。

それが筒井康隆さんの最後の喫煙者。

筒井さんの本を手に取ってみたのは初めてで、帯に「ピース又吉が愛してやまない20冊!」と書かれていたことと、パラパラどんな感じか読んでみたときに好みっぽいということで選んだ記憶がある。

短編集で全て面白いんだけど、若干ぶっ飛びすぎてグロいものもあった。

「問題外科」という物語は痛烈なブラックユーモアがベースにあって、いこ的には描写がグロすぎてついていけなかった…(笑)

「老境のターザン」とかは、年を取って老いぼれたターザンの物語。いわゆるターザンと聞いて想像する正義感の強い、清く正しいターザンではなくて、筒井ワールド全開。

若いときはいろいろやったよ、みたいな裏世界のターザンが楽しめる(笑)

その”いろいろ”ってのがまた下世話でいいのよ。

童貞を捨てる男の心理描写が絶妙

中でもいこ好みだったのが「喪失の日」。

女性経験ゼロの童貞24歳の男が、先日食事に誘った女性といざ今日決めるんだ、という日の心の移り変わりを描いた物語。

きれいなパンツは履いてきたか、とかホテルに行くまでにかかるお金の計算を頭でしている内に、実際に心の声が漏れ出てしまい、同僚に不審がられる…。というお話。

最後のオチこそ、物語的ではあるけどホテルに至るまでの葛藤ってのはあながち世の男性のいわゆる喪失の日に考えていることと違わないんだろうなーと。

久々の読書をして、また面白い本が読みたくなったー。

近くのブックオフに行って、品定め。筒井康隆さんの「農協月へ行く」をジャケ購入。

文庫本で赤茶けた古臭い感じも良いし、表紙のイラストもいい感じ。

読了した際にはまた感想アップしまーす。