ヴィパッサナー瞑想体験レポ。やり方と効果。呼吸を観察して体感的に無常を知る。

ヴィパッサナー瞑想で得た不思議な体験と感想。果たして効果は?




先日、知る人ぞ知るヴィパッサナー瞑想を体験しに京都の田舎へ行ってきた。

ヴィパッサナー瞑想とは数ある瞑想法のひとつで、一説によるとブッダが悟りを開いた瞑想法とも言われている。

この記事では、ヴィパッサナー瞑想に参加して体験した様々な事をレポートします。

ヴィパッサナー瞑想とは?

世の中にはいろいろな瞑想があるけど、そもそもヴィパッサナーとはどのような瞑想なのか?

「ものごとをありのままに見る」という意味のヴィパッサナーは、インドの最も古い瞑想法のひとつです。この瞑想法は2500年以上も昔、インドで、人間すべてに共通する病のための普遍的な治療法、すなわち「生きる技」として指導されました。ヴィパッサナー瞑想に関するさらにくわしい説明は、ゴエンカ氏の講演『生きる技』をご参照ください。

日本ヴィパッサナー協会HPより引用

ありがたくもこの記事にたどり着いてくれた方は、ヴィパッサナー瞑想という言葉をまずは知っているか聞いたことのあり、そして興味があるけど実際の内情がわからない、知りたいという方だと思う。

いこもヴィパッサナーについて、参加前の知識としてはほぼ皆無だった。

経験者が口を揃えて教えてくれるのは、参加者は10日間、一切の外界とのコミュニケーションを断たなければいけない、ということ。

それがどんな体験になるのか想像もつかなかったが、実際に参加してヴィパッサナー瞑想とは?という質問に自分の言葉で答えるとしたら「呼吸を通して体感的に無常を知る瞑想」というところになるかな。

ここからは参加に至った経緯と実際の体験をお話しさせていただきます。

【経緯】ヴィパッサナーを知り参加に至ったきっかけ

いこは参加に至る2年前くらいに現在急成長中のあるIT会社のCEOの男性と話をする機会があり、初めてヴィパッサナー瞑想の存在を知った。

その彼が会社を立ち上げるきっかけとなったのが、彼が大学を卒業後、世界一周中にタイで経験したヴィパッサナー瞑想だったという。

その時に初めてヴィパッサナーという耳慣れない言葉と、そういうものがあるんだという認識を得たのだが、それを機にヴィパッサナーに行った事がある、とかこれから参加するんだーっていう人に会うことが多くなって興味を持つに至った次第。

私はそもそもスピリチュアルとか全然わからない人なので、自分が行くことになろうとは最初は思いもしていなかった。

でも、結婚が決まり、東京に移住することになった時に、今までの勝手気ままなふらふら人生に一旦ピリオドを打たなくてはいけないんだとなった時に、心の整理を…というか禊(みそぎ)というか、まぁスッキリした状態で行きたいなと思った訳です。

その時に岡山での仕事を納め、東京への移住まで自由になる時間が1ヶ月程あったので、興味本位で参加を決めたというのが参加に至った経緯。

いこ自身が興味を持ったのは【10日間全コミュニケーション禁止】というルール。

生まれてこのかた、10日間誰ともコミュニケーション取らなかったがが無いなん人はそうそういないんじゃないだろうか。参加当時私は33歳だったが、33年間も生きると”生まれて初めて”っていう経験をすること自体が少なくなってくる。

この【10日間全コミュニケーション禁止】という”生まれて初めて”が何より心惹かれた。

未知!未知過ぎる!10日間も誰とも話さず、目さえも合わせず、ボディランゲージも禁止なんて!

そんな訳で強烈に興味を惹かれヴィパッサナーに参加を決め、予約を取ることに。

ヴィパッサナーをネットで調べてみると、参加出来る施設は国内には京都と千葉のふたつあるということがわかった。

瞑想なんて初めての経験をするなら、東京に近い千葉よりもミーハー的感性で京都でしょ!って事で京都での参加を決意。

いざ、予約を取ろうと思いプログラム日程を見てみると、当時参加受付中のプログラムは全て埋まっていてキャンセル待ちという状態。

そんなにこのヴィパッサナーは人気があるのか!となおさら興味がわいた。

次回参加受付が始まるプログラムに何が何でも参加しよう!と決意を新たにし、手帳にまで参加受付開始日を書き込む。開始日初日にサイトから申し込んで、無事参加が決まった。

後日、いこと同日程で参加した人に話を聞くと、過去2回受付開始日に申し込んでもいっぱいで参加できずに、今回やっと念願叶って来れたという人もいる程。

世の中、物好きもたくさんいるんだなー。

【アクセス】京都ダンマバーヌ – 京都の奥地へ向かう

【京都ダンマバーヌへの行き方】

センターへの行き方は、まずJR京都駅から嵯峨野線・山陰本線(プラットフォーム31-33番、園部・福知山方面)に乗り、園部で下車します。そして、改札を出て右側の階段を降りた所にある駅前のバス停から、西日本JRバス(桧山行き、もしくは福知山行き、菟原行き、下大久保行き)に乗り、桧山で下車します。そこからセンターにお電話ください。Tel. 0771 86 0765お迎えにあがります。

日本ヴィパッサナー協会ホームページより引用

いよいよ参加当日、京都駅から現地に向かう。京都駅から快速電車で40分の駅からバスに乗ってさらに20分。なかなかの奥地。

バス停までスタッフがピックアップしに来てくれて施設へ到着。

受付は16時頃から開始だったかな。いこはかなり早く着いた方で、まだあまり参加者もいない様子。

施設の敷地内に入ると男女が分けられて同じ敷地を仕切った半分半分でそれぞれの時間を過ごすことになる。

受付ではルールを守り最後までやり遂げる旨を誓う書類にサインをして、ケータイや書物、ノートなどプログラムで禁止されているものや財布などの貴重品を預ける。

もうね、その契約書とか書いてる時に軽い気持ちで参加したいこは10日間頑張る気ではいるものの、大丈夫かしらって不安にもなったりして。

ま、なるようになるさと受付を済ませると施設案内が。

いこの部屋には布団が8組、入り口入って左右にそれぞれ4組畳まれていた。

なるほど。この部屋ではいこ含め8人の参加者が寝泊りするのね。

部屋にはすでに2人ほど。軽く自己紹介して自由時間を過ごす。

これから始まる未知の体験にみんな期待と不安が入り混じっている様子。

そうこうしている内に食堂に呼ばれ、参加者全員でのプログラム説明が始まる。

【方法】ヴィパッサナー瞑想のやり方とルール

コースが始まる前日、つまりプログラムday1の前日に受付をしてヴィパッサナー瞑想プログラム参加にあたっての説明を受ける。

ヴィパッサナーの掟

前述した通り、ヴィパッサナーにはプログラム参加中【10日間全コミュニケーション禁止】をはじめとするいろいろなルールがある。

具体的には以下。

  • 人と目を合わせてはいけない
  • 会話をしてはいけない
  • ボディランゲージもだめ
  • もちろんケータイやスマホも禁止
  • あらゆる生物を殺さない(虫も)
  • 性的なことをしない
  • 読み書きしない
  • 飲酒をしない
2022年10月現在、コース再開しているようだがコロナ中ということで人数制限、感染対策として更に瞑想に関係のない様々な制約が設けられている様子。詳しくはホームページで確認することをおすすめする

これらの説明を受けて、寝る前に30分ほど瞑想をした。ここからは全てのルールに則って一切のコミュニケーションを断ち、ひたすら自分と向き合う時間。

ひたすら濃い10日間がここから始まるのだ…。

ヴィパッサナー瞑想のやり方

瞑想中は座布団の上にあぐらをかいて、手は膝辺りに自然に置く。

人によって手のひらを上にしたり下にしたり様々。

瞑想と聞いてよくある人差し指と親指で輪っかを作っている人もいたけど、途中でインストラクターにそれはしなくていいと言われていたので、この瞑想では用いないようだ。

そして目は閉じる。

この状態でひたすら鐘がなるまで瞑想。インストラクションとして、各瞑想の導入部分は呼吸に集中しやすくするように手順を示してくれるテープが流される。

目を閉じているので時間もわからない為、合図としての鐘がなるまでひたすら瞑想を続ける。

ヴィパッサナー瞑想体験レポート

10日間のタイムスケジュール

ヴィパッサナーは10日間のプログラムとなっているが実質の換算で言うと、前日に受付と説明があり、翌日起きたところからday1となり、day10の翌日にプログラム終了となるため、実際には11泊12日となる。

日本で働く真面目な一般人の人はなかなか休みが取れない長さ。だから選ばれし者たちが集うのだ。

貼り出された10日間のタイムスケジュールを確認するとなかなかハードな感じ。

ざっくり言うと、朝4時起床、夜21時半就寝、一日の瞑想時間9時間半。

細かく言うと、

  4:00  起床

  4:30~ 瞑想2時間

  6:30~ 朝食 終わり次第休憩

  8:00~ 瞑想(決意の一時間)

  9:00~ 瞑想2時間

11:00~ 昼食 終わり次第休憩

13:00~ 瞑想1時間半

14:30~ 瞑想(決意の一時間)

15:30~ 瞑想1時間半

17:00~ ティータイム

18:00~ 瞑想(決意の一時間)

19:00~ 講話

20:30~ 瞑想30分

21:00~ 質問タイム

21:30  就寝

こんな感じ。day1~9までは一切のコミュニケーションを断つ『聖なる沈黙』を守る。

DAY1 – いよいよ始まった。

前日に受付を済ませ説明を受け、そして夜が明けた。

いよいよプログラムが始まる。

朝の4時起床。時間を知らせるものは鐘の音のみ。カーンという高い鐘の音がなり暗い部屋の中、同部屋8人の気配がうごめき出す。

もちろんすでに『聖なる沈黙』の期間に入っている為誰ともコミュニケーションはとらない。

部屋を出て、洗面した後に、宿泊部屋の2階にある瞑想ルームへ向かう。

部屋は広く、中央前面にインストラクターの外国人のおばちゃんが座っている。

その中央を境に男女が分けられそれぞれ左右の入り口から部屋に入る。

参加者は男女それぞれ30人程。インストラクターの方を向いて座るように座布団が置いてあり、座布団の前には誰がどこに座るかを指定されたネームタグが貼ってある。

いこは4~5列ある内の後ろから2列目。後ろからみんなを観察できるいい場所。

ついに厳かな雰囲気でインストラクターの説明に従い、瞑想が始まった…。

いやー、初めての事だからアレだけど、座り続けるって大変ね。

足がしびれるし、ただ落ち着きないのかもしれないけど、足がしびれなくても動きたくっちゃう。

いこは後ろから2列目だから、時々薄目を開けてみんなの様子を見てみるけど、いこより落ち着きのない人はいないってくらいみんな動かない。

すごい集中力。

いこは性格的にもせっかちで、普段の生活もちゃきちゃき動くから、黙って同じ体勢でいるってことがそもそも苦手。

まだまだ始まったばっかり。修行じゃー!!

DAY2/DAY3 – こんなにも頭の中はうるさいのか。

瞑想の方法はただひたすらに呼吸に集中すること。それだけ。

いこは瞑想のこと何も知らず、「外界の情報などの刺激を一切断って、静かな中で内側の自分の思考と向き合うものなんだ」と勝手に解釈してましたが、全然違った。

ただひたすらに呼吸に集中すること。自然な自分自身の呼吸を感じること。

それがこの瞑想の基本のようだ。

「ただそれだけ」とは言ったものの、呼吸に集中することの難しいこと!

最初の一瞬だけ呼吸を意識していても、いつの間にか別の事考えていたりして、day1~2はほぼ勝手に湧いてくる思考に翻弄される。

外界の一切の刺激を断てば、スノードームの雪が少しずつ沈むように頭の中も静かになると思っていたけど、違うんだなって事初めて知った。

さて、ひたすらにおしゃべりな頭ん中をいなしながら、呼吸に集中すること3日間。

ようやっと呼吸だけを感じるということが出来るようになってきた。

DAY4~ ‐ マジかよ…。ここまではただの小手調べだったとは…。

毎回瞑想の導入にテープが流されるのが、少しずつ手順が微妙に進んでいる様子。

そして、インストラクターから新たな指導が。

それは、一日1時間×3回決して動かない、目を開けない「決意の一時間」というもの。

今までは辛くなったら体勢をずらしたり、目を開けて他の人の様子を伺っていたいこ。

それを一日合計3時間禁じられる。…出来るんだろうか。

まぁ、自分に約束するだけなので、それが出来なかったとしても罰があるとかそーゆうわけではないんだけど。

まぁ、こんないこでも「決意の一時間」は体勢を変えず、目も開けずに瞑想できるようになりました。

day10、ついに「聖なる沈黙」が解かれる!

毎日毎日、寝ても覚めても瞑想、瞑想。

施設にはカレンダーもないので、【day○】という貼紙を見て、その日がいつなのかを知るしかない。

毎日同じことばっかりしてると何日目なのかわからなくなる。

最初の3日間くらいは、後何日もある…と残りの日数が永遠にも思われた。

でも着実に一日一日をこなしていくしかないのだ。

そして、ついにday10。ついに…「聖なる沈黙」が解かれる日がやってきた!!

軽い瞑想の後から、自由時間となって参加者同士の交流が始まる。

今までは誰ともコミュニケーションを取れなかった為無表情だったみんなが、笑顔でわいわいとおしゃべり。

みんなヴィパッサナー瞑想を深めるにつれていろいろな体験をしていた。

あるヨガのインストラクターの子は瞑想中に完全に自分の体のどこが歪んでいるかわかったらしい。

他には途中から目が冴えて全然寝られなかったとか、いろいろありました。

いこは瞑想中におばあちゃんとの思い出が突然よみがえって涙があふれてきたり、心の中のほこりみたいなものが少し浮き上がってきた感はあったかな。

言っても10日間。33年間積もったほこりはそんな簡単には消えないだろうけど、ヴィパッサナー瞑想の効果と可能性はびしびし感じた!

day10明けて最後の朝。

最後の日の朝は言葉の通り雲ひとつない最高の青空だった。

今思い出しても、あのプログラム中の天気はいこや他の参加者の心を写し取ったような移り変わりで、厳かな天気から開放感に満ち溢れた青空は何か見えざるものの力を感じずにはいられない。

ヴィパッサナー瞑想による効果も感じたし、10日間やりきったという達成感もあって心から参加してよかったと思った。

京都ダンマバーヌ ‐ 癒しの庭編

ヴィパッサナー瞑想施設、京都ダンマバーヌの裏手には庭があって、かなり癒しの空間だった。というか、庭がなければ10日間頑張れなかったかもしれない。

庭の脇に植えられている花々、朝露に濡れた草や木々、こんなにも世界は美しいんだなって浄化された心で感じて、毎日庭に出るのが楽しみだった。

そもそもヴィパッサナー瞑想をひとことで言うと、「体の感覚を通して無常を理解する事」。

毎日変化する庭。アニッチャ。

それにしても毎日の瞑想、集中出来る日もあれば出来ない日もある。進歩を感じられずに気分が上がらない時もある。

そんな時、休憩中に庭のベンチでぼんやりしたり、短い散歩用トラックをぐるぐる歩いたりして気分転換をしてたんだけど、まさに無常。常にあらず。

アニッチャとはまさに無常、という意味だが本当に癒しの庭は毎日変化していた。

庭には簡易的な柵があるんだけど、鹿のふんらしきものがたまに落ちている。

きっと夜の内に遊びに来た鹿達の置き土産。

散歩の時には鹿のふんが増えていないかもチェックするようになった(笑)

庭の毎日の変化はどんなものでも愛おしく、癒しを与えてくれました。

心を写し取ったような天候の変化

運がよかったのか、はたまた不思議な力が働いたのか、ヴィパッサナー参加中の天気はいこの心ととてもリンクしていた。

受付日に来た時は5月下旬にも関わらず、初夏の陽気。ノースリーブで施設に向かったいこ。

瞑想が進むにつれて、3日目くらいから常に曇り空で気温もぐっと下がり始める。

やっと呼吸に集中できるようになり始めたいこにとって、その天気の変化はヴィパッサナー瞑想の厳かな雰囲気にすごくマッチしていて瞑想を進める上での環境としてよかった。

ある朝、起床の鐘がなる前に目が覚めた日、庭を散歩でもしようかとそっと部屋を抜け出す。すると、いつもの朝と違って朝もやが立ち込めている。

朝もやの中に庭の木々が映えて、神聖な気分になる。いつものように庭を歩き回ろうと進むと、ふとある木にかかった蜘蛛の巣が朝露に濡れて、宝石のようにきらきらと輝いている!

本当に言葉をなくすくらい美しくて、しばらく佇んで見とれる。

毎日変化している庭。無常を感じられる大事な場所。

庭の暗闇に光るもの、それは…

day9の夜、その日の就寝前にいつものように庭に出た。

夜の庭には普段ほとんど誰もいなくて、だいたいいこ一人。

外灯もないので真っ暗だしあまり奥までは行けないんだけど、その日は先客が。

シルエットしか見えないが、木の枝に手を伸ばして何かしている様子。

その手の先には何やら光るもの…。

…ホタルだ…

いこもホタルを近くで見たくてその人に近づく。

もちろん「聖なる沈黙」の最中だから話しかけたりは出来ない。

けど、その人もいこの気配に気付き、いこの方に腕を伸ばす。

彼女の腕にはホタル。

淡い光が点滅している。儚い光が庭でおぼろげに存在感を放っている。

少しの間ホタルを見つめて、いこは先に部屋へと戻った。

厳密に言えば、規則を破ってしまったことになるのかもしれない。

言葉は交わさずとも、二人の間に心の交流は確かにあった。

…でもその一瞬の交流、感情の共有がとてつもなく嬉しくて、誰もいない暗闇でにっこりしたいこでした。

10日間のヴィパッサナーのプログラム。全コミュニケーション一切禁止、読み書き禁止。

そんな中で唯一の娯楽は人間観察。

瞑想中や、食事中、食後の休憩中、就寝前の部屋の中など、他の参加者の動向を観察するのがいこの楽しみだった。

ヴィパッサナーにはどんな参加者が?

いこがヴィパッサナーを知ったのは旅人だったからだと思う。

旅人と言えば聞こえはいいけど、要は国内外問わずふらふらしていただけなんだけど(笑)

旅人は旅人と出会う。そんな出会いの中でインドやタイ、もしくは京都でヴィパッサナーをしたよ、という人がかなり多かった。

参加者を見ると、なるほどみんなそれぞれにヴィパッサナーに導かれたのがわかる風貌をしているのね。

共通しているのは旅慣れた感じでバックパックで来ている人。荷物がかなり少ない人。

服装はタイダイ染めのゆるゆるパンツ、タイパンツ、麻のシャツみたいなヒッピーテイストがどこかしらに取り入れられている人がかなり多い。

ヨガやってそうだなーって人もかなり多かった。後は極端に髪が長い人も2~3人。

後から聞くと、ヨガの先生が4人、ベリーダンスとかのダンサー系が4人くらいいて。

ヨガもダンスも心と体を繋げることが重要ですもんね。

参加者男性と女性の特徴の違い

興味深かったのは参加者の男女の特徴の違い。

ヴィパッサナー瞑想のプログラム中は、男女は完全に分けられ、食事や宿泊の場所も別。

庭は仕切られ、遠くに男性用の庭が見える程度。

唯一、瞑想ホールでは横長の部屋の両脇から男女それぞれ入室するようになっていて前面中央のインストラクターを境にして、3メートル程のスペースを持って同室にて瞑想するようになっている。

なのでその瞑想ホールで見える限られた範囲でしか観察は出来なかったんだけど、男性は女性同様ヒッピー旅人系は少なく、40代以降のおじさんが多い印象だった。

勝手な想像だけど中年にさしかかり、仕事や家庭など人生のどこかに躓き、何かを模索してヴィパッサナーに救いを求めてやってきました。みたいな感じの人が多かったような(笑)

確かに2週間近く休んで参加するんだから普通の会社じゃそうそう来れない。

男性の方がそう言った意味で、ヴィパッサナー参加はハードルが高そうだし、参加に至るまでの相当の決意やモチベーションが必要な気がする。

途中リタイアした女の子

このヴィパッサナープログラム参加中に一番気になった女子。

同部屋のはじっこの彼女。いつもピンク色の半袖のパーカー。茶色でセミロングの髪をうしろに束ねている。表情は常に不安げ、不満げな様子。

プログラム開始前日も受付を済ませて部屋に入ってきたと同時に誰とも話さずに頭から布団を被ってしまった。

眠たいとか体調が悪いというよりコミュニケーションを拒否します、という意思表示にいこには見えた。

他の参加者に見られるヴィパッサナーに繋がる雰囲気が全然感じられない。

でっかいキャリーケースを持ってきている。風貌もTHE・俗世だ。

最初の印象で、この子は最後までやり遂げられるのかな…ともうすでに感じていた。

そんな彼女、瞑想中も座布団に方膝を立ててサブのクッションを抱き、膝に頭をもたせ掛けている…。やる気が感じられないし、リスペクトもない。

これは…どーゆうことなんだろう…?

DAY1の休憩中、部屋に戻るとその子が手帳に何やら書き付けている。

読み書き禁止の為、本来であれば受付時に預けなくてはならないもの。

目に付くし、他の参加者の集中の妨げになるな…と思いながらも見なかったことに。

そして、また別の休憩中、今度はどっかの旅行のパンフを眺めている。

これは…いけない子だわ…。相変わらず瞑想中も方膝立てて座ってるし。

3日目の昼、ついにコースマネージャーがパンフ類を没収しに来た。

いこはその事実を報告しなかったので、見かねた誰かがコースマネージャーに伝えたんだろう。

没収された後の瞑想中、彼女はおもむろに瞑想ルームを出て行った。

次の休憩にいこが部屋に戻ると彼女の荷物はなく、リタイアしたことを知った。

いこは最初からその子の動向が気になっていて、聖なる沈黙が解けたら話しかけてみたかった人の一人だった。

ほんとだったら一人ひとりとどうしてヴィパッサナーに参加するにいたったのかを聞いてみたいところ。

みんな魅力的で面白い人生を歩んできたんだろうなって感じの雰囲気が出てるから。

伝えたいことがあり過ぎて長編になってしまった…。

ヴィパッサナー瞑想まとめ

  • 10日間のプログラムだけど前日受付からの為、実質11泊12日。
  • 受付時にスマホ、本やノート読み書きのツール、貴重品等は全て預ける。
  • 9日間は「聖なる沈黙」を守り全コミュニケーション禁止。
  • 呼吸を通して体の感覚に敏感になることで、全て無常だということを体感的に知ることが目的。
  • 女性参加者はヨガ、ダンサー、旅人系が多かった。
  • 男性参加者は悩める中年層(いこの偏見)が多め、ヒッピー系も多少いる。
  • 庭は参加者にとって相当な癒しの空間。時期によってはホタルが見られる。
  • どんな人でも試してみて絶対に損はないといこは思う。

以上、いこが体験したヴィパッサナーでした!

本当は体感したことをもっと詳細に書きたいけど、体感してみるのが一番!だと思う。

そして、いこの文章力じゃ到底伝えきれないので(笑)

しかも、10日間毎日いろいろな出来事があって全てすぐに書き留めておきたかったけど、記録できないので、ぼんやりとしてしまった記憶もある…。

きっと参加者100人100色の経験になると思う。

未知の経験すぎて人生観が180度変わってしまうんじゃないかって不安だったけど、まったくそんなことはなかった。自分自身と世界への理解が深まるって方がしっくり来るかもしれないな。

少しでもお役に立てたらこれ幸い。